友と翼がいる控室に、悠、心、良が入って来た。
 「お疲れ~」
 「おお、お疲れ……」
 「撮影、進んでるの?」
 「俺と翼 「そう言えば、Mエンターテイメントの雅社長と会ったよ」と翼が言った。
 「そう言えば、Mエンターテイメントの雅社長と会ったよ」と翼が言うと、
 「ふ~ん」と悠がそっけない返事をした。
 「それがさ、なんか新人っぽい女の子連れてて雅社長のお気に入りって言ってた」
 「うん、お気に入りって」と翼が頷いた。
 「でも、すごいよな。あの雅社長からお気に入りって言われてるってことは、今後期待されてるんだよき」友が言った。
 「その子、可愛かったか?」良が興味津々に聞く。
 それを聞いた翼、
 「うん、黒髪でショートカットでなんか、爽やかな感じ。あの子、いいかもよ。
 直観だけど磨けば……」
 「なんだよ、その言い方」心が笑った。
 「でもさ、面白んだよ。名前聞いたら苗字だけを
 答えんだ。
 普通はさ、下の名前答えるのに……」と翼が言った。
 「俺も思ったよ。今時珍しいよな、名前聞かれて
苗字だけ答える子って。
 でも、それが新鮮でいいなって思っちゃった。
 あの子、あのままでいてくれたら俺、個人的に『推し』ちゃうかも……」
 と友が言った。
 「おっ! リーダーの友がそんなこと言うの珍しいよな」と笑う良。
 「そうかな? それだけ印象に残る子だったってことさ」 友が言った。
 「で、その子名前なんて言ったの?」
 今までメンバーの会話を聞いていた悠が突然質問した。

 「上村さん……って言ってた」と翼が答えると、
 「上村さんか……」と悠が呟いた。
 「そう、上村さん……またどこかで会えればいいな……」と友が言った。
 「『RAIN』の皆様、スタンバイお願いします」とスタッフが五人を呼びに来た。
 「いくぞ……」と友が皆に声をかけると『RAIN』の五人は控室を出て行った。