そんな野次を軽くあしらって、話を続ける。

「だから、先生と話し合って下見に行くことにしました!日帰りで、明後日の日曜日。急だから予定とかわからない人もいるかもしれないんだけど…
今の時点で来てくれる人いる?」

「……」

うーん、やっぱりそうだよねぇ。
みんなは周りの様子を伺っているけど、誰も声をあげる人はいない。

それじゃあ、最終手段…!

「熱海に行きます!お金は全部雨宮先生が持ってくれるらしい!奢りだよ!
先着3人です!!!」

「えっ、まじか」
「いいかもー」

よし、狙い通り…
みんなの関心を惹きつける。

「私と雨宮先生は確定してるから、行きたい人は今日中に連絡くださーい!」

「ふーん、橘花さん行くんだ…」

ぼそっと、誰かが呟いた。
幻聴…?

「じゃあ僕行く〜!楽しそうだし!」

そう言って、ピンピンに手を挙げたのは関咲くん。
じゃあ ってどういうこと?
まあまあ、深い意味なんてない…よね。

「りょうかーい!ありがとね!」