「清菜ぁ〜!」
「あ!陽葵!」
…とある金曜日の放課後。
これから文化祭に向けてほぼ毎日集まることになった私たちのクラス。
もちろん部活がある人はそっちを優先してもいいんだけど…
「清菜、今日は部活サボろうよぉ〜!
正当な理由じゃんっ!!」
「ふふっ、柚葉ったら…
今日だけだよー?」
同じ部活、かつ同じ担当教科になった柚葉はどうやら今日は部活に行かないようです…
それなら仕方がないよね?
私も行かないことにした。
「橘花さんっ!!
今日は何するの?!」
「わっ、関咲くん」
勢いよく私に飛び込んできたのを軽く交わした。最近は毎日こんな感じなので、だんだん関咲くんの扱いには慣れてきたのだ。
「えーっと今日はね…
地理の問題に出す自然の分野なんだけど、問題を解説する側が無知なのは恥だからって雨宮先生に言われちゃって…」
若くてかっこいい、と女子生徒から定評のある数学担当の雨宮先生は、私たちの科目を主に担当する先生だ。
「えー、なにそれどうすんのー」