隣の解説班の方も、順調に行っているようで、ひとまず安心する。
「ねぇ橘花さん、ここの資料って…」
そう言いながら私の肩を誰かが叩いた。
「ん?」
誰かな、と思いながら振り返ると、私の真横には関咲くんの顔が…って、
「関咲くん!距離近い!」
横を向いたらほぼ当たってしまいそうなほど近づいた関咲くんの顔。
「あぁごめんごめん、でも近い方が見やすいじゃん」
「もうだからそういうことじゃなくて…」
「まあまあ落ち着けば?」
何も動揺せず、平然と私の資料を触ってくる。
……手!!
かさなってる…、?!
ゴタゴタした私より一回り大きい関咲くんの手が…っ、
資料のプリントにちょこんと添えた私の手の上に重なる。
——トク
私の心が…あつい?
いやいや、そんなわけ…
「もう、ちょっと…」
「おーなるほど!ありがと橘花さんっ!」
そう言って笑顔の花を咲かせ、彼は自分の席に戻って行った。
おいおい、自由すぎるでしょ…!