しかし、すぐにいつものクラヴィスの雰囲気に戻ってしまう。

そして、また私の手を引いて歩き始めた。

「クラヴィス、馬車はそちらの方ではないですわ!」

「誰が帰ると言った」

「っ……!?」

私はどこに行くのか分からないまま、クラヴィスについて行くしかなかった。

またパーティー会場である建物の中に入っていく。

パーティー会場に戻るのかと思ったが、連れて行かれたのは隣にある控え室だった。

「クラヴィス……?」

動揺している私をよそにクラヴィスは私に新しいドレスを渡した。

「君が今回のパーティーに参加すると聞いて、贈ろうと思っていたものだ」

「どうして……」

「君が今回のパーティーに招待されていると聞いていたんだ。君の敵の多さを考えると、なんでも用意はするに越したことはない。まぁ、まさか本当に使うことになるとは思わなかったがな。髪も一度シャワーを浴びて、整えてもらうと良い」

クラヴィスが近くにいる使用人に着替えを手伝うように命じて、控え室を出ていく。