私はリーリルに述べた自分の言葉を頭の中で繰り返した。





「私はね、相手が一番力を入れている時にその攻撃をやり返せるのならば、それが最も効果的だと思うわ」






【皆の視線が私に集中している今が好機だ】






私は顔を上げた。


「二年以内にユーキス国内で課税が行われたのは、二回。一度目の課税は三ヶ月間という期間の決まった課税だった。そして、去年行われた課税は今も続いている」

「一度目の三ヶ月間の課税はその年の冬の不作が予想されたから。事前に備えることが必要だった。去年行われた課税は、他国との貿易事業を広げるため」

「そうね……私だったら、去年の課税は行わないわ。貿易事業を広げるならば、別の交渉材料を用意しなければ長続きしないもの。この国だったら、まず縫製の分野が優れているから、そこに力を入れて……」


その時、周りにいた一人の貴族が声を上げる。





「急に何を言っている!」





私は微笑んだ。




「何を言っていると思う?」





「は?」





「私が噂とは違う人物であるという証明よ。信じるかは貴方たちが決めなさい」





私はそれだけ述べて、近くに様子を見に来ていらした主催のカートル公爵令嬢と婚約者のミクリード侯爵子息に一礼をした。