しかし……





そんなはずはなかった。





バシャっと、いう音と共に私のドレスにワインとかけた者がいた。





それが皮切りだった。





「悪政の根源が!」

「お前の課税のせいで苦しんだ人間がどれだけいると思っているんだ!」

「のうのうと自分だけパーティーに参加するなど烏滸がましいにも程がある」




貴族たちが一斉に私に飲み物をかけた。

髪を引っ張る者もいた。

私はその場で崩れ落ちるようにうずくまった。

私の(よろい)は……リーリルが選んでくれた(よろい)は簡単に崩れた。