「じゃあ、マリーナ。いっぱい嫌われて」


「え……?」


「君が嫌われた人数分だけ命を救ってあげる。というか、嫌われた人数にだけこの病の免疫をあげるよ。あー、でも、この流行り病からユーキス国全てを救うためには国民全てに嫌われるくらいじゃないと無理かな?」

その青年は私がどんな反応をするのかを心底楽しんでいるようだった。

だから、はっきりと答えた。



「分かりました。その言葉が聞けただけで十分ですわ」



私の言葉に青年は一瞬驚いた顔をした後に、ニコッと笑った。

そして、すぐに消えてしまった。

青年が消える寸前に「楽しみにしているよ」と聞こえた気がした。