私は令嬢たちから目を逸らさない。



「だから、私はクロルが胸を張れる主人になるの」




令嬢たちは意味が分からないようだった。



「いつかクロルが私の騎士で良かったと言えるようにこれからも頑張るわ。だから……もし良かったら、貴方たちも少しでいいの。私のことを見ていて欲しい」

「噂通りの人物かどうか」



ちゃんと王女らしく最後まで微笑むことが出来ただろうか。

声は震えなかっただろうか。

私は令嬢たちを振り返らずにその場を去った。

人気(ひとけ)のない廊下までくると、クロルが私の前に立った。