「あら、それでも私は幸せになるわよ? 私の幸せを願ってくれている者が沢山いるもの」

私は二人の手を取り、包み込むように握った。


「学園での生活も私は楽しむつもりしかないわ。毎日楽しんで、学んで、それで沢山の人に私のことを知ってもらう。沢山の人に私のことを知って貰えば、その分好いてくれる人もいるかもしれない」


私の言葉にリーリルは「当たり前です!」と声を上げた。

「噂によってお嬢様を嫌う者が増え、患者の人数が減ったことにより、流行病は(おさま)った。噂だけでお嬢様は全ての人に嫌われたわけじゃない。噂を信じない者もいた。それと同じように全員から好かれるのは無理です。それでも……お嬢様は魅力的です!本当に!お嬢様のことをしっかりと知っても、お嬢様を嫌う者がいれば、私からすれば見る目がないです!」

「ありがとう、リーリル。私、その言葉だけで頑張れるわ」

その時、ガタンと振動がして、馬車が止まった。