部屋に残った私にクロルが視線を合わせた。

「マリーナ様」

そして、私の前で膝をつく。

「お嬢様の味方は、この屋敷の者全てです。この屋敷の使用人は少ない。マリーナ様のご両親のこともあり、信用出来る使用人だけに絞っているからです。それでも……貴方の味方はいます。私だってマリーナ様に忠誠を誓っている」

私は深く息を吐き、クロルに伝えたいことを話していく。

「……クロル、覚えておいて。私だって、いつだって、貴方たちの味方なの。だから、ちゃんと守り合いましょう? 守られるだけも守るだけもやめて、ちゃんとお互いを信頼する。本当の意味で」

私はクロルの前で膝をついた。

「マリーナ様!?王女がそのような……!」

「しっ、今だけだから。今だけ許して」