私、マリーナ・サータディアはユーキス国の第一王女でありながら、身体が弱く引き篭もりがちだった。

国王である両親には放ったらかしにされながらも、屋敷の者にはその人格によって好かれていた。

しかし(よわい)10代も半ばの頃には大分良くなり、そろそろ学園にも通えると思っていた矢先……



ユーキス国で、流行病が猛威を振い始めた。



死者も出始めたユーキス国では、為す術もなかった。

私は毎日毎日祈り続けた。



「どうか国民を救って下さい」、と。



そんな時、私の前に突然若い青年が現れた。

そう部屋に「突然現れた」のだ、そのままの意味で。

見た目は普通の若い青年にも関わらず、その青年の態度は不遜(ふそん)だった。

しかし、その態度が当たり前なことであるように感じるほど神秘的な何かを感じた。

その青年は、「フリク」と名乗った。