11月に入り、街路樹が色づき始めたある日。


学校が休みのこの日も、ホワイト・カフェに来て私はカウンター席でいつものようにホットコーヒーを飲んでいた。


先輩のコーヒーはまろやかで、今日も美味しい。冷えた体が、少しずつ温まっていく。


そのコーヒーが、残り半分くらいになった頃。


──カランコロン。


ドアベルが鳴りそちらに目をやると、私と同世代くらいの女の子がひとり、お店に入ってきた。


「あっ、琉星〜!」


そしてその女の子はズカズカとカウンターの中にまで入ってきて、琉星先輩にいきなり抱きついた。


……え? だっ、だれ?