「お、お、王子様!?」


学校で知らない人なんかいないくらい、超絶人気の、及川くん。


並外れたルックスの良さに、勉強だってピカイチの、まさに完璧の塊でできた王子様みたい。


だから女子たちの間ではまんま"王子様"呼ばわりされてる。


当の本人はエプロン姿での登場だった。


向こうも私の制服を見て同じ学校の生徒だとわかったみたいで、目をまん丸にして驚いてる。


「やっぱり、雅と同じ学校の制服だったんだね。てか、雅お前、学校じゃ王子様って呼ばれてるのか?」


ぷっと吹き出して笑うおじさん。


「あっ!…ごめんなさい」


今更になって、私は口を押さえたけど、もう遅い。