「手、見せろ」


「…あ、はい」


赤くもなってないし、本当になんともない。


及川くんは小さくため息をついて、「お前、お湯使うの禁止」って言われた。


なんだかんだで勉強再開したんだけど…


どうしても隣に座る及川くんを意識しちゃって、手元に集中できない。


「さっきから聞いてんのか」


「え?あ…ごめん!もう一回!」


「ったく…。さっきのケーキで摂取した糖分で頭回転させろよ」


「か、回転させてる!」