すぐ隣の道路を、車が通り過ぎる。 今、槙野くんなんて…… 何を言われたか、ちゃんと聞こえた。 聞こえたけど… 「な、何冗談いってんの!」 私は動揺に狩られて、とっさにそう言うしかなかった。 視線が泳いで、定まらない。 「冗談…ですか。…すいません、変なこと言って。なんとなく言ってみただけなんで、忘れてください」 どこか少し寂しそうに、槙野くんは言った。 なんか微妙な空気が流れてて、気まずい。