「及川くん、甘いのより苦いのが好きなんでしょ？」


「なんで知ってんの」


「前に喫茶店行った時ブラックコーヒー飲んでたし、苦いのが好きなのかなって、なんとなく」


「……何見てんの。キモ…」


キモって言ってる割に、どこか嬉しそうにして見える…


「な、何よ！別にそんなつもりじゃなくて…って今食べるの！？」


反論してる間に、及川くんは一口クッキーを頬張った。


「どう？美味しいでしょ？」


もぐもぐと頬を動かしながら一言。


「不味くはない」


って。