「お前の方こそ、言えないくらいの点数なんだろ」 試すように、聞かれる。 「え、いやそんなことはないけど…」 やばい、自分で話題振っといて自爆しそうというか… お粗末なテスト結果が、カバンの中に入ってる。 焦りに焦っていた私の視界に、及川くんが抱えるバスケットボールが目に入った。 「ね、それ私にもやらせてよ」 話題をそらそうと、必死になる。