「……お待ちどおさま」


及川くんは一度も目を合わせることなく、ぶっきらぼうにそう言って、私の前にカップを置いた。


「おいおい、もっと丁寧にできないのか」


おじさんは呆れた様子だ。


「…俺、課題の続きしてくるから。なんか用あったら呼んで」


そのまま、奥へと戻っていってしまった。


「ごめんね」


「いえ……あの、私の方こそすいません」


なんか、及川を怒らせちゃったような気がする。