その時、軽く早美くんの指が私の指に触れる。 いや、逆か。私が早美くんに触れてしまったのだ。 「ありがとう、優しいのね」 「・・・いや」 あれ・・・? 早美くんの表情が、また冷めた顔をしている。 「具合、悪いの? 無理なら帰りなさいよ」 「大丈夫だよっ!ほら、戻ろっ」 パァッと笑顔に戻り、なんだか忙しい子だなとは思った。