私がみんなを治していたら、いつかここにいると気づいて迎えに来てくれるだろうか?
 そんなことを考えた自分にミサキは苦笑した。

 聖女だからってレオナルドと結婚できるわけではないのだ。
 お似合いだった二人。
 あんなに綺麗な人がいるのにレオナルドと自分が結婚できるとは思えない。

 迎えに来てもらってどうするつもりなのか。
 レオナルドに未練がありすぎる自分は馬鹿だと思う。

 ミサキはベッドにボンッと横になった。

 言葉が話せたら良かった。
 レオナルドともっと話がしたかった。
 ナタリーとも。
 エマとだって会話できたら楽しいだろう。

 いつの間にか眠ってしまったミサキが目を覚ますと、サイドテーブルには食事が置いてあった。

「ごめんなさい。ありがとう」
 ここでみんなの怪我を治せばお礼が貰えて、エマに美味しいものを食べさせてあげられるだろうか。
 野菜だけでなく肉や魚もエマに食べさせたい。

 ミサキは明日からちゃんと働こうとグッと手を握った。