「い、いたたき、ます?」
 うんうんと頷いてくれる二人。
 よくわからないままミサキは朝食を頂いた。

 全部は食べきれないのでパンとスープを頂く。
 これだけにしようと思ったが、焼き魚の魅力には逆らえずに、つい魚もいただいてしまった。
 だって塩鮭みたいでおいしそうだったんだもん!

『ごちそうさまでした』
 ペコっと頭を下げると、二人はまるで孫を見るかのように優しく微笑んでくれる。

 なんだかよくわからないけれど、もうここの子になってもいいよくらいの感じ?
 
 開店時間かなと思ったが、なぜかおじいさんがお店の入口に札をかけた。
 おばあさんがミサキの手を握り、店を出る。

 ミサキはおじいさんとおばあさんに連れられて街を歩いた。

 え? どこに行くの?
 今日は何かのイベント?
 集会?

 連れられて来たのは白い大きな建物。
 ステンドグラスがあり、教会っぽい建物だ。

 あ、お祈りの日とかそういう感じ?
 どこかの国は毎週何曜日に礼拝があるとか中学校の時習った気がする。
 
『聖女様を連れて来たぞ! 包丁で怪我したところが一瞬で治った!』
『本当なのよ、縫うほどの怪我だったのに』
 おじいさんとおばあさんの話で一気にバタバタする教会。

 綺麗な刺繍が入った白い服の神父様っぽいおじいさんが奥からやってくると、おばあさんはミサキをギュッと抱きしめた。

『聖女様、うちに来てくださってありがとうございます』
 前半はわからないが、ありがとうございます?

『聖女様、この国をお願いします』
 涙ぐみながら握手をするおじいさん。

 え? 何これ。
 どういうこと?
 ミサキは首を傾げた。