「ミサキ、きれい」
 レオナルドはミサキの右手を取り、手の甲に口づけを落とすと綺麗な青い眼を細めて微笑んだ。

 惚れる。
 絶対惚れる。
 我ながらチョロいと思うけれど、こんなことされたら絶対好きになるでしょ。

 異世界スゴい!

 絶対話せるようになってレオナルドと会話がしたい。
 好きなもの、嫌いなもの、いろいろ知りたい。

『どっちが好き?』
 レオナルドが手にしたのはプレーンクッキーとチョコチップクッキーが乗った皿。
 ミサキがチョコチップクッキーを取ろうとするとレオナルドの手がミサキの手の上に乗った。

 レオナルドはチョコチップクッキーを手に取りミサキの口の前に出す。

 これは「あーん」ですか!
 真っ赤な顔で半分だけ口に入れると、残りの半分はレオナルドが食べてしまった。

 半分こかー!
 惚れるでしょ。
 ズルいでしょ。

 恐るべし王子。

 レオナルドは補佐官チャールズから絵本を受け取ると、ミサキに表紙を見せた。