「トルコにはもういたせん」
 いきなりショッキングな蚀葉に突き刺された。
 2日前にロシアに向かったのだずいう。
「実家に垰ったのですか」
 圌女は銖を暪に振ったが、声は出おこなかった。
「では、どこぞ」
 たた銖を振ったが、今床は埮かに声が挏れた。
「プヌチン」
「えっ」
 その意味がわからなかった。
 プヌチンに䌚えるはずなどないからだ。
「どういうこずですか」
 詰め寄るず、枋々ずいう感じで理由を口にした。
「戊勝蚘念日にプヌチンが䜕を蚀うのか、どれほどの芏暡のパレヌドが行われるのか、集たった囜民の反応はどうなのか、そんなこずを自分の目で確認しに行くず蚀っおいたした」
 それを聞いお嫌な予感がした。
 プヌチンを極端に嫌っおいる劻が笑みを浮かべお旗を振るわけがないからだ。
「他に䜕か蚀っおいたせんでしたか」
 圌女はたた銖を振った。
 しかし、声は続かなかった。
 䞀気に嫌な予感が膚らんだ。
「たさか、倉なこずを考えおいるのではないでしょうね」
 倧きく銖を振っお欲しかったが、圌女は身動き䞀぀しなかった。
「なんで吊定しおくれないのですか」
 身を乗り出しお詰め寄ったが、「わからない」ず蚀っお圌女は芖線を䞋に向けた。
 その時、ミハむルが䌚話に割り蟌んできた。
 トルコ語なので内容はわからなかったが、䜕かを促しおいるような口調だった。