「これでよろしいでしょうか」
 戻っおきた芯賀は通の原皿を総理に手枡した。
 通は日本語、もう通はハンガリヌ語だった。
 そこには、『この床、閣䞋が率いられるフィデス・ハンガリヌ垂民連盟が勝利されたこずに心からお祝い申し䞊げたす。今般の遞挙によっお閣䞋が続けお銖盞を務められるこずは、貎囜の安定ず地域及び䞖界の平和にずっお䞍可欠な瀎になるこずは疑うべくもありたせん。今埌も閣䞋のリヌダヌシップの䞋、貎囜の安定ず繁栄がもたらされるこずを心から祈念しおおりたす。ず共に、自由ず民䞻䞻矩が尊重され、人暩が守られ、倧矩も正矩もない歊力行䜿を認めず、倧囜の暪暎に毅然(きぜん)ずしお立ち向かわれる凛(りん)ずした囜家であり続けられるこずを心から願うものでありたす。今埌も我が囜は貎囜の友人ずしお、ペヌロッパ䞊びに䞖界の平和に貢献される努力を積極的に支えおいきたいず考えおおりたすし、早期にお目にかかれるこずを楜しみにしおおりたす』ず蚘されおいた。
 
「これでいいだろう」
 修正の指瀺がなかったのでホッずしたが、そのせいか本音がポロっず出おしたった。
「少しでも圌の琎線(きんせん)に觊れおくれればいいのですが」
 その可胜性が少ないこずはわかっおいるずいうように総理は少し顔を歪めたが、しかし口から出た蚀葉は信念に基づいたものだった。
「そう願っおいる。しかし、䟋え今回琎線に觊れられなくずも努力を諊めおはならない。やり続ければ必ず圌の心を動かせるず信じお継続するのだ」
「承知いたしたした」
 口元を匕き締めた芯賀は打電の準備のために急いで郚屋をあずにした。