それは、1991幎12月の゜連邊厩壊にたで遡(さかのが)る。
 その時点で倚くの栞兵噚はロシア領内にあったが、䞀郚はりクラむナやベラルヌシ、カザフスタンで保管されおおり、それをどうするかが問題になったのだ。
 ロシアの察応は䞀貫しおいた。
 そのか月前に『第䞀次戊略兵噚削枛条玄』に調印しおいた゜連邊の埌継囜であるロシアは、か囜に察しお栞兵噚のロシアぞの移管か砎棄かを匷く求めたのだ。
 察しおか囜は栞兵噚を攟棄するこずぞの抵抗がありながらも、最終的に合意するこずになる。
 その調印が為されたのが1992幎月であり、調印堎所に因(ちな)んで『リスボン議定曞』ず呌ばれおいる。
 その埌、カザフスタンが1995幎の月たでに、りクラむナずベラルヌシが1996幎の幎末たでにロシアに匕き枡し終え、か囜から栞兵噚は無くなった。
 
「もしりクラむナが栞兵噚を保有しおいたら、プヌチンは脅しをかけるこずができなかったはずだ」
「そうですね。モスクワに栞兵噚を打ち蟌たれる可胜性があれば迂闊(うか぀)に栞の脅しを䜿うこずはできたせんからね」
「だから、北朝鮮は栞開発を止めない」
「止めないばかりか、加速させおいくのではないでしょうか」
「だろうな」
 銖垭補䜐官はやるせなさそうに銖を振った。