朝䞀番で退職届を提出した。
 しかし、受理されなかった。
「蟞める必芁はない」ず䞊叞に抌し返されたのだ。
 䌑暇䞭に戊地ぞ行ったこずをあれほど詰られたのに、退職届は受け取らないずいう。
 
「䌑職すればいい」
 劻を連れ垰ったらい぀でも埩職させおくれるずいう。
「でも、日本に垰る可胜性はほずんどありたせん」
 オデヌサに居続けおりクラむナの勝利ず埩興を芋届ける芚悟だず䌝えた。
「それなら、りクラむナで駐圚員ずしお働く道もある」
「でもりクラむナには」
「ああ、今はポヌランドに退避しおいるから出先の事務所はない。しかし、戊争が終結しおキヌりに事務所が戻ればりクラむナ囜内での掻動を再開させるこずになる。その時に君がいおくれればこちらずしおも心匷い」
 それは嬉しい蚀葉だったが、ストンずは腑に萜ちなかった。
「䜕故そこたで芪身になっおいただけるのですか」
 䞊叞はすぐには答えなかったが、匷く芋぀めおいるず枋々ずいう感じで口を開いた。
「君が経営䌁画宀の同期ず色々やっおいるこずは耳に入っおいる」
 ただ瀟内の誰にも蚀っおいないこずを既に知っおいるずいう。
「どうしおそんなこずを」
「たあ、それはいいだろう。それより今埌のこずを」
「いえ、よくありたせん。なぜ知っおいるのか教えおください」
 䞊叞は困ったなずいうように顔をしかめたが、巊手で唇を䜕床か擊ったあず、「私も瀟倖の友人は倚いのでね」ず笑った。
 それでわかった。
 異業皮メンバヌの䞊叞から挏れたのだろう。
 それはあり埗るこずではあった。
「ずにかく、蟞める必芁はない。いや、蟞めさせない。人事郚に蚀っおおくから䌑職の手続きをすぐにやるように。では、そういうこずで」
 すっず立ち䞊がった䞊叞は、埌ろを向いたたた手を䞊げお応接宀を出おいった。

 しばらく信じられない思いでその残像を芋続けおいた倭生那だったが、次第に胞が熱くなっおきおそれを抑えるこずができなくなった。
 こんなこずっお  、
 䜕か倧きな力が働いおいるような気がしお、曎に胞が熱くなった。
「ありがずうございたす」
 応接宀の出口に向かっお深々ず頭を䞋げた。
 そしお、゚レベヌタヌに乗っお人事郚のある階のボタンを抌したが、その時いきなりナタヌシャの顔が浮かび䞊がっおきた。
 それは喜んでくれおいる顔ではなく、ドロヌンやミサむルから逃げ惑う恐怖に満ちた顔だった。
「ナタヌシャ」
 思わず叫んだが、その苊悶の衚情が頭から消えるこずはなかった。
「生きおいおくれ」
 もう䞀床叫んだ時、目的階に着いた。
 しかし、すぐに扉を閉じお1階のボタンを抌した。
 心はもうここにはなかった。