芚  悟

          

「䞀旊モルドバぞ匕き䞊げよう」
 オデヌサでボランティアを率いるリヌダヌは、移動する準備を始めるように指瀺を出した。
 連日のようにミサむルずドロヌンが飛んできおむンフラや集合䜏宅が攻撃されおいるので、埅ったなしの状態になっおいるのだ。
「ここにいたらい぀ミサむルが飛んでくるかわからない。ぐずぐずしおいる堎合ではないんだ」
 匷く促されたが、オデヌサを離れる぀もりはなかった。
「死ぬかもしれないんだぞ。そんなこずになったらどうするんだ」
 身の安党を確保するのが最優先だず説埗されたが、それでもナタヌシャの気持ちが倉わるこずはなかった。
 オデヌサの人たちず共に戊う芚悟ができおいたのだ。
 それは骚を埋める芚悟ず蚀い換えるこずができるものだったが、簡単に死ぬ぀もりはなかった。
 倧矩も正矩もないロシア軍のぞなちょこミサむルやドロヌンが自分を殺せるわけはないず固く信じおいたからだ。
 
「最埌は正しいものが勝぀の」
 頻繁に連絡を取り合っおいるマルヌシャが毎日のように発する蚀葉が心の支えになっおいた。
 それに、反転攻勢を続けるりクラむナ軍の勇敢な姿に力を貰っおいた。
 オデヌサ垂民の士気の高さにも錓舞(こぶ)されおいた。
 だからここを離れるずいう遞択肢はあり埗なかった。
 
「倧䞈倫です。皆さんが戻っおくる日たでここを守っおいたす」
 笑みを浮かべおリヌダヌに告げるず、倉庫の䞭に入っおい぀ものように支揎品の敎理に取り掛かった。