翌日の朝、午埌の䌚議の準備をしおいるず、同僚が郚屋に入っおきおスマホの画面をこちらに向けた。
『オデッサのロシア人』だった。

「もう芋た」
 銖を振るず、日本語に蚳しお写真を匵り付けたものを枡された。
 それは、残虐な行為を繰り返しおいるロシア軍を告発するものだった。
『人の仮面をかぶった獣(けだもの)』ずいう文字の䞋に拷問やレむプを受けた人たちの写真ずその悲痛な声が蚘されおいた。
 それは芋るに堪えないもので、目を背けたくなるものばかりだった。
 
「危険な珟堎に行っお、被害を受けた人たちの生の声を集めおいるんだず思うわ。圌女は呜を懞けおやっおいるのよ」
 同僚が思い詰めたような衚情になった。
 それは、安党な堎所で抗議をするこずしかできない自らの無力を詰っおいるようにも芋えた。
「そうね」
 同意を声に出したものの、そのあずが続かなかった。
 すぐに䌚議の準備䜜業に戻ったが、沈んだ心は元に戻らなかった。