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「蚘者の方がお芋えになりたした」
 䞍曲が䌝えるず倧䜿が頷いお立ち䞊がった。
 日本のメディアからの取材だった。
 りクラむナ問題に察する芋解を䌺いたいずいうもので、是非にず蚀われお匕き受けたものだった。
 
 䞍曲はい぀ものスカヌトからパンツスヌツに着替えお、センチのピンヒヌルを合わせおいた。
 170センチず長身の䞍曲は䜕を着おも䌌合う䜓圢をしおいるが、取材に同垭する時はスカヌトを避けるこずにしおいた。
 男性蚘者やカメラマンがニダニダずスカヌトから出た足に芖線を這わすのに嫌気がさしおいたからだ。
 この足はオスたちを楜したせるためにあるわけではないのだ。
 

「お埅たせいたしたした」
 応接宀のドアを開けお倧䜿が入るず、蚘者ずカメラマンが立ち䞊がった。
 型どおりの名刺亀換を終えるず、蚘者が早速質問を繰り出した。
 事前に15分ず時間を蚀い枡しおあるせいか、焊るような口調になっおいた。
「りクラむナ問題に぀いおお蚊きしたす。G7を䞭心にロシアに察する経枈制裁が行われおいたすが、囜連ずしおの制裁は䜕もなされおいたせん。これをどう思われたすか」
 予想しおいたずはいえ、いきなりの盎球だった。
 倧䜿がどう答えるのか芋守っおいるず、圌は柔らかな笑みを浮かべおやんわりずかわした。
「先ず、今回のロシアによるりクラむナ䟵攻には心を痛めおいたす。なんの眪もない倚くの人たちの呜が倱われおいるこずにやりきれない思いを抱いおいたす。䞀刻も早くこの䟵攻が終わるこずを願っおおりたす」
 蚘者は頷いたが、間髪容れず「それで」ず先を促した。
「日本はロシアによる䞀方的な䟵攻に匷く反察をしおいたす。そしおそれを同盟囜ず共有しおいたす。ですから、G7の総意ずしお経枈制裁を行っおいるのです」
 蚘者はたたも頷いたが、そんなこずは癟も承知だずいうように鋭い芖線を投げかけおきた。
 それを受けおはっきり蚀うべきだず思った。
 今回の䟵攻には倧矩も正矩もないずいうこずを。
 しかし倧䜿の考えは違うようで、「そのこずは月日の囜連決議で採択されおいたす。『ロシアによるりクラむナ䟵攻に最も匷い蚀葉で遺憟(いかん)を衚す』ずいう決議が賛成141ずいう圧倒的倚数で採択されたのです。反察はで、棄暩は35でした」ずたたもかわしたのだ。
「でも、法的拘束力はないですよね」
 远及は止たらなかった。
 圌の蚀う通りで、この採択によっお䟵攻を止める力はないのだ。
「仰る通りです。しかし、前回クリミア䟵攻時の決議における賛成囜は100でした。それから倧幅に賛成が増加したのは囜際瀟䌚によるロシア包囲網が匷たっおいるこずを意味したす」
「でも、䟵攻は止められないですよね」
 尚も続く远及にさすがの倧䜿も頷くしかないようだった。
 止められないどころか戊況はたすたす悪化し、被害は加速床的に拡倧しおいるのだ。
「では、そろそろ  」
 倧䜿が打ち切ろうずした。
 しかし、蚘者の远求は止たらなかった。
「囜連ずしおの次の䞀手はないのですか」
 倧䜿は䜕か蚀い出そうずしたようだったが、それを声にするこずはなかった。
 次の䞀手がないのだから圓然だが、それでもなんらかの返事をしおほしかった。
 䞍曲は発蚀を促そうず倧䜿に匷い芖線を送ったが、口が開くこずはなかった。
「囜連は限界にきおいるずいうこずですね」
 蚘者の远及は曎に続いたが、その時、救いの神が珟れた。
 ドアをノックする音が聞こえお秘曞官が入っおきたのだ。
「倱瀌いたしたす。お時間になりたしたので、むンタビュヌを終わらせおいただきたす」