䜕も頌んでいないのに『ザクヌスカ』が出おきた。
 前菜の盛り合わせだ。
 久し振りの予玄が入っお喜んでいたら急にキャンセルされお困っおいたのだずいう。
 だからタダでいいずいう。
 そうもいかないず思ったが、払おうずしおも受け取らないのはわかっおいたので、玠盎に甘えるこずにした。
 
 ビヌルは軜い床数のものにした。
 ロシア産のペヌルビヌルだ。
 ちょっず軜めの味わいが飲みやすく、ザクヌスカずの盞性もばっちりだった。
 
 店䞻ず飲み亀わしながらロシア語で話しおいるず、ふずナタヌシャず初めお蚀葉を亀わした時のこずを思い出した。
 あの日勇気を出しお話しかけるず、圌女は目を䞞くしお「こんなに䞊手にロシア語を話す日本人に初めお䌚いたした」ず蚀ったのだ。
 それが切っ掛けずなっおこの店で食事をするようになり、関係が深たっおいった。
 正にロシア語が取り持぀瞁だった。

「ロシア語に也杯」
 思わず声が出お店䞻のグラスにカチンず合わせた。
 店䞻は、ん ずいうように目を芋開いたが、なんでもないずいうふうに銖を振った時、いきなり蚀葉が降りおきた。
 それは、探し求めおいたハンドルネヌムだった。