それはそうず、モルドバに来るずは思っおいなかった。
 モスクワぞ行く぀もりだったからだ。
 戊勝蚘念日にプヌチンが䜕を蚀い、どれほどの芏暡のパレヌドが行われ、集たった囜民がどういう反応をするのかこの目で確認したかったのだ。
 でも、アむラから匷く反察された。
 倉なこずをするのではないかず危惧したようで䜕床も止められた。
 
 圌女の感は圓たっおいた。
 ずいうより、ズバリだった。
 赀の広堎で反戊の意思を瀺す぀もりだったのだ。
 ロシア囜営テレビのスタッフがやったように『りクラむナ䟵略を止めよ』『プヌチンを匕きずりおろせ』『プロパガンダを信じるな』『党員で声を䞊げよう』ず倧きな玙に曞いお䞭継テレビの前に立ずうず考えおいたのだ。
 しかし、それを芋透かしたようなアむラの説埗に負けお行くのを思いずどたった。
 その代わり、圌女が参加しおいるボランティア団䜓を手䌝っお欲しいずいう提案に乗るこずにした。
 それはモルドバでの避難民支揎だった。
 倧混乱になっおいる珟堎に手を貞すこずを求められたのだ。
 その時に「ロシアを非難するこずよりもりクラむナを助ける方がはるかに䟡倀がある」ず匷い調子で蚀われたこずに衝撃を受けた。
 正に目から鱗が萜ちたような感じだった。
 確かにモスクワに行ったずしおもプヌチンに近づくこずもできない自分が審刀を䞋せるわけがない。
 自己満足を行䜿するだけで終わっおしたう可胜性が高いのだ。
 あの囜営テレビのスタッフが呜がけでやったこずでさえロシア囜内で倧きな圱響を䞎えるこずはできなかったのだから、自分がやったずしおもただ捕たっお終わっおしたうだけだろう。
 それよりも苊しんでいる人たちを助ける方が珟実的であり、䜕倍も䟡倀がある。
 そう気持ちを切り替えるず、モルドバぞ行くのが自分の䜿呜だず思えおきた。
 だから、すぐに心を決めた。