「瑠依くん、お風呂入っちゃいな」
「あ、ありがとうございます」

 おばさんにお礼を言うと不満そうな声が背後から聞こえてきた。
 
「ええ、次俺だったのに」

 振り向くとカイちゃんが頬をふくらませている。
 
「あら、ならふたり一緒に入ったら?」

  なっ、無理。
 
「はい?!」

 どうしよう、それは、それだけは無理。

「嫌だよ、俺ひとりで入りたいよ」
「そそそそそうだよねー」

 助かったと思いホッと胸をなでおろす。

 
「け」
「け?」