「荷物ここに置いて、このベッドはお前が使って、俺は下に布団敷いて寝るから、スペースは右側半分全部どうぞ、俺は左側使うから」
「あ、え、待って、お、お、同じ部屋?!」
「ああ、うち部屋少ないし、カイは受験で一人部屋じゃないと嫌なんだと」

 荷物を起き部屋を見回す。ここに、ナギとふたりきり?!

「あぁそうなんだ、そうだよね、突然ごめん、てか俺布団でいいよ」
「いや、母さんが瑠依をベッドにしてやれって、客だから」
「いやいやそんな」

 それだけ言うとそそくさと階段を下りていきそうになったナギを慌てて追いかけた。

「あっ」
「ひゃっ、あ、ごめん」

 だけどナギが突然止まるものだから勢い余ってナギの背中に激突してしまった。

「トイレはここ、風呂は下」
「あ、オッケー、ありがとう」

 ナギ、かっこよくなった。背も随分伸びて髪だって伸びて声だって低くなって、だけどあの頃の面影もあって月日が経ったのを実感する。