「……え?」

「ちょっと! カイ! 何失礼なこと言ってんの! ごめんね、瑠依くん、気にしないでいいからね」
「あぁ、はは、いや、全然、まだなんすよ」

 乾いた笑いを浮かべてお父さんと目を合わせる。

「いやー、瑠依はこのとおり体も細いし小さいでしょ、だから成長が少し遅くてね」
「俺なんてもう声変わりしてるし」

 勝ち誇ったような顔したカイちゃんは「やめなさいっ」とおばさんに強く叱られた。

「行くぞ」
「あ、うん」

 そんなやり取りを気にもしないようなナギにそう声をかけられて二階に案内される。そして着いた場所、それは想像とは少し、いや、かなり違っていた。