ナギ、背が伸びたな。弟のカイちゃんも大人になっている。最後に会ったのはお母さんのお葬式だから八年前、カイちゃんはまだ小学校に上がったくらいだったから記憶に残っているかな?


「カイちゃん、俺のこと覚えてる?」


 そう聞くとカイちゃんは「なんとなく」と呟いた。


「そっか、かなり前だもんね」
「てか」
「ん?」


 カイちゃんがこっちをジーッと見てくる。少しの不安が体を巡り、バレないように視線を逸らした。

 






「声変わり、まだなの?」