「瑠依くん! 久しぶりね~おばちゃんのこと覚えてる?」


 柔らかい笑顔が降り注いだ、長かった夏がようやく終わりを迎え、秋風が頬を掠める昼下がり。


「もちろんです! お久しぶりです」


 お父さんに連れられて来たのはお父さんの親友の家。昔は私たち家族もこの近くに住んでいた。


 幼いときの記憶だけど、この家にも何回か来たことがあるし微かに記憶のドアが開くと懐かしさがふっと込み上げる。


「真帆ちゃん、今回は急な頼みでごめんね」


 お父さんが買ってきた手土産を渡しながら出迎えてくれたおばさんに頭を下げる。