(あっ――そうか。ここは魔導で栄えた、国内でも指折りの魔導士一族が暮らすバークレインの屋敷)
王城と同様に、魔物を弾く結界が張ってあることくらい予想してしかるべきだった。
「アルル!!」
リナリアは血相を変えて地面に膝をつき、鞄に両手を突っ込んでアルルを引っ張り出した。
人前であることなどどうでもいい。アルルの安否確認が最優先だった。
「大丈夫!?」
アルルはぐったりしつつも、弱々しく右前足を振った。
それなりにダメージは受けてしまったようだが、命に別状はないらしい。心底ほっとした。
「ごめん、ごめんね、気づかなくて――」
「あなた、魔物を連れ歩いているんですの!?」
信じられないという顔でエルザと侍女が歩み寄ってきた。
エルザはさほど警戒している様子はないが、侍女の魔力は膨れ上がり、既に臨戦態勢。
エルザが「やれ」と命令すれば、いつでも魔法を放てる状態だ。
(……場合によっては私ごとアルルを撃つ気だわ)
こちらに向けられた侍女の冷たい眼差しで悟る。
リナリアはぎゅっとアルルを抱きしめ、立ち上がった。
王城と同様に、魔物を弾く結界が張ってあることくらい予想してしかるべきだった。
「アルル!!」
リナリアは血相を変えて地面に膝をつき、鞄に両手を突っ込んでアルルを引っ張り出した。
人前であることなどどうでもいい。アルルの安否確認が最優先だった。
「大丈夫!?」
アルルはぐったりしつつも、弱々しく右前足を振った。
それなりにダメージは受けてしまったようだが、命に別状はないらしい。心底ほっとした。
「ごめん、ごめんね、気づかなくて――」
「あなた、魔物を連れ歩いているんですの!?」
信じられないという顔でエルザと侍女が歩み寄ってきた。
エルザはさほど警戒している様子はないが、侍女の魔力は膨れ上がり、既に臨戦態勢。
エルザが「やれ」と命令すれば、いつでも魔法を放てる状態だ。
(……場合によっては私ごとアルルを撃つ気だわ)
こちらに向けられた侍女の冷たい眼差しで悟る。
リナリアはぎゅっとアルルを抱きしめ、立ち上がった。