「セレン王子は生まれつき病弱だと聞くわ。ここ最近、具合が悪かった? 病状が回復したから、もう大丈夫、セレン王子は無事だ、と言ったの?」
 考えをそのまま言葉に出してみるが、アルルは俯き加減に動かない。

「アルル、大丈夫よ。私には何がなんだかよくわからないけれど、とにかくセレン王子は無事だったのでしょう? だから大丈夫」
 椅子から降りてアルルの頭を撫でたが、アルルは何か考え込んでいるようだった。