(これは、肯定ってことかしら?)

「一緒に来てくれるの?」
 声に出して確認すると、アルルは頷いた。

「いいの? 無理はしなくていいのよ?」
 アルルは首を振り、大丈夫だというように頷いた。

「……ありがとう。嬉しいわ」
 リナリアはアルルの頭を優しく撫でた。
 これから一人寂しく旅をしなければならないと思っていたから、アルルの存在は非常に心強かった。

「じゃあ行きましょうか。でもアルル、肩の上は危ないわ。地面に下りてくれる?」
 そう言って身体を前に傾けると、アルルは地面に飛び降りた。

 リナリアは上機嫌でトランクケースを引っ張った。
 アルルもリナリアの右隣をぴったりついてくる。

「ふふ」
 楽しい旅になりそうだ、と思った矢先。
 がさりと音を立てて、右手の茂みの奥から大きな魔物が現れた。