「理太郎様、御母様が呼んでいますよ」







 理太郎様の部屋の前。私はドアをノックしてから、話しかけます。






「いいよ、会わない。どうせ母さんは俺よりも、お茶のことが大事だろう」






 ドアの向こうから、やさぐれた声が聞こえます。