「たっだいまー」


玄関ホールに響く私の声に下っぱ達が次々に返してくれた。

私、月本 美桜那(つきもと みおな)はここの幹部をしている。

厳密に言うと、参謀だ。

通りなはミナ。本名からとった。


「おかえりなさい!ミナさん!」


「今日もご苦労様です!」


「今度勉強教えてくださぁい〜!」


「赤点があぁぁ」


クスッと笑ってしまった。

今日も元気だなあ。


「ただいま。みんなも学校お疲れ様〜」


「ミナさん」


1人、落ち着いた雰囲気の美少年が話しかけて来た。

彼の名前は、カナタ。

私たち幹部にもっとも近い存在だ。


「雪(せつ)さんがお呼びです。」


「雪が?…分かったわ。伝えてくれてありがとう。」



2回の中央にある幹部室に繋がっている左右の階段は、まるで王城の舞踏会の会場みたいに豪華だ。


本当、どれぐらいしたんだろう。


ーコンコン


「ミナです。ただいま帰りました。」


そう言って中に入った。