クラスの友達を交えてお話したのは、伊織という名前の人でした。
伊織はみんなに隠すことなく話している同性愛者で、私もそのことだけは知っていました。
伊織が話して笑われないのならば私も笑わないだろうと、クラスの友達や、学年の子達はそんなに酷い子たちではないとわかっているのに私が自分が同性も異性も愛せる、いわゆるバイ、と言うものであることが言えなかったのはきっと、というか絶対に小学生時代のことがあったからでしょう。
伊織はとても明るくて、運動もできる、まるで浅川那智みたいな子でした。
でも那智と違うのは、彼女が私の同性に対する感情を気持ち悪いと言わず、むしろ共感してくれた所です。
少なくとも私はそんな伊織にとても救われましたし、信頼もしていました。
伊織と仲良くなって遊びに行ったりするようになって行って、早くも中学3年生になりました。
私達はそのまま内部進学なので、受験で忙しくてまったく遊べないなどと言うことはなく、テスト前に忙しく勉強する、くらいのごくごく平凡だけれど幸せな生活を送っていました。
すると、ある日お昼ご飯を食べていたら、伊織が突然真剣な顔をして話しかけてきました。