ミシェルはアレックス様の質問にばつが悪そうな表情をする。
さらに裏庭でメイドにハグした男性がミシェルに追い打ちをかけた。


「なぁ、ミシェル。これで良いのか?女が来たら抱き着けと言っていたが、もういいのか?」


ミシェルはもう居たたまれなかったのだろう。
何も言わずに顔を真っ赤にしてその場から走り去ってしまった。


アレックス様は全く意味が分からない様子だ。


「あ…アレックス様、妹のミシェルが何か勘違いをしたようで…申し訳ございません。なんとお詫びしてよいのか…」


すると、アレックス様はふわりと微笑を浮べた。


「心配したぞジュリア嬢。君が無事ならそれでよい。君が一大事だと聞いて血の気が引くほど驚いたが…良かった。」


アレックス様は笑顔で私の肩をポンポンと叩いてくれた。
私の心臓は大きく音を鳴らすのだった。