「で?」

那智さんの声に、ソファーに座り、目の前に置かれたコーヒーカップから出ている湯気をボンヤリと見つめながら思い出していた健は、ハッと現実に引き戻された。

コーヒーを啜り、視線を健に向ける那智さんに

「あっ、話しというのは…」

イブの日、那智さんが去ってからの事を話した。