『あの…凛からメールがきて…』
フゥと息を吐く音が聞こえ
『何か、もうどうでもいいって感じみたいで、
カイと一緒にいる、捜さないでくれって…
それから父親と会えるかも知れないとも書いてありました。

直ぐ電話したけど繋がらなくて…。』

やっちゃんの言葉が木霊のように頭の中に響き渡って、無言でいると
受話器の向こう側でボソボソと会話する声が聞こえたかと思ったら

「先生、俺、タクです。」

驚いたが、ふと湧いた疑問を口にした。

「タク?どうしてお前、やっちゃんと一緒に…」

居るんだ?
と言う言葉は遮られ

「そんなことは今はどうでもいいんです。
それより、凛ちゃんの行方でしょ?

アイツの、カイの事、
かなり分かってきたんで
近々報告に行こうと思っていたんですよ。

情報が少なすぎて父親の事は少々手子摺っているんですけど、
とにかくアイツが、凛ちゃんの父親と関係があるという事、アイツがかなりヤバイ奴だっていう事は言える…
全力で探し出すから任せて下さい。」

「頼む」と言うと、取り付く島もなく、電話は切れた。