「じゃあまずはデートしようか」
「どこにだ?」
「うーんまず行きたいところはね。カラオケかな。いい?」
「もちろんかまわないぞ」

 カラオケは元から好きだしな。

「じゃあレッツゴー!」

 と、出発した。

「あの」
「ん?」
「まだ信じられないんだが」

 頬をつねってほしいくらいだ。夢じゃなかったらこんなのおかしすぎる。男子の妄想第一位だろ、こんなの。漫画によくありそうなシチュエーションだし。

「もう、ハグしたじゃない」
「でもさ、なぜ俺なんだ?」
「さっきも言ったじゃない。立ち振る舞いが好きだったって」
「だけど、やっぱりまだ実感がわかないんだよ」
「もう、自己肯定感低いなあ。理由をもっと説明してあげよう。まず立ち振る舞いが好き、姿勢とか、歩き方とかね。他にも、休み時間の過ごし方が好き、いっつも勉強してるじゃない? あと、声が好き。たまにしゃべる時は結構声がいいし。あと、性格ね。いつも掃除とか真面目にやってるじゃない。他には……」
「待て待て分かったよ。お前が俺のことが好きなのはよくわかった。もう疑わないから」

 ここまで言えるってことは本当なのだろう。それならもう疑うほうが失礼だ。

「わかってくれましたか。ならいいです」
「ああ」