「どういうことだ? 彩花は俺のことが嫌いじゃないってことか?」
「そう言うこと!!」

 その瞬間全てを理解した。エイプリルフールだからそんな嘘をついたのだと。同時に彩花が本当に俺のことを嫌っているわけじゃないってことが分かって安心した。

「そんな紛らわしい嘘つくなよ」
「これでだまされるとは思ってなかったの! もう」
「でもよかったわ。お前が俺のことを嫌ってるわけじゃなくて」
「本当よ。馬鹿ーー!」

 そう言って彩花は俺の背中を叩きまくる。普通に痛い。

「馬鹿はひどいだろ」
「だって馬鹿だもん。……嫌いの反対が好きという事も知らないくせに……」
「なんか言った? 最後聞き取れなかったんだけど」
「何も言ってないわよ」

 そして俺たちはそのままゲームをした。最高に楽しかった。