そして、部屋でゲームをするが、何も面白くない。むしろ彩花と一緒にゲームをした思い出がよみがえって、辛くなるだけだった。
 そしてそんな時、ドアが開いた。母親か? と思った。くそ、ほっとけよと思いスマホをさらにいじる。
 だが、そんな時、「斎君?」という彩花の声が聞こえた。すぉんな時全てがどうでもいいと思っていた俺の思考が覚醒する。すぐになんで? という言葉が脳裏に浮かんだ。なぜわざわざ嫌いな人の部屋になんて来るんだと。

「……斎君今日が何日か知ってる?」
「え? 四月一日だろ? それがどうした?」
「ああもう! 四月一日って何の日?」
「え? エイプリルフールだけど」

 それがどうしたのだろう。俺のことが嫌いなのだったらさっさとこの部屋から出ていってほしいのだが。

「エイプリルフールって何の日?」
「嘘をついていい日だけど」

 それを言うと、彩花は「あーもー!!!」と怒ったような声を出して。

「嘘なのよ。私が斎君のこと嫌いっていうのは」