「広太…」


俺の名前を呼びながら抱きしめ返してくれる七彩。

可愛すぎる。


こんな七彩、見たことないぞ。

いや、俺自身も知らねぇ。


自分のことなのに、こんなにも女を抱きしめたいと思う自分は知らねぇ。


元カノのときも、こんなことなかった。

抱きしめて、キスして、と言われないとしなかった俺が、七彩には自分からしたいって思う。


意味わかんねぇんだけど!


「広太、痛い…」

「あ、わりぃ…」


気づいたら俺は、抱きしめる力が強くなってたらしい。

痛いと言われ気づく俺…


「でも、嬉しかった」

「は?」

「抱きしめてもらえるの。広太が抱きしめてくれると、落ち着く」


七彩…

恥ずかしそうにする七彩。


でも、ちゃんと広太って呼んでくれてる。

それだけなのに、嬉しい俺はどうかしてる。